子宝の島”で過ごす日々――助産師としての新たな一歩 (千葉県出身 助産師6年目)
「もう6ヶ月も経ったのか」と言われて、自分でも驚いています。
知り合いが誰一人いない中で始まった、初めての離島暮らし。右も左も分からず不安でいっぱいでしたが、今はすっかり島の生活にも慣れ、毎日が本当に充実しています。
当初は、「応援ナースのみんなと打ち解けられるだろうか」「生活環境は大丈夫かな」など、心配なことばかりでした。ですが、そんな不安はほんの数日で吹き飛びました。
お休みが同じ仲間と声を掛け合い、島の名所を巡ったり、おいしいお店を開拓したり。日勤終わりや夜勤明けには、みんなでシュノーケルをしたり、三線の練習をしたり、食事に出かけたりと、思い出がどんどん増えていきました。
仕事もプライベートも、こんなに楽しい時間を過ごせるとは想像していませんでした。
これまで助産師としてしか働いたことがなかったため、最初は戸惑うことも多くありました。胃ろうや吸引などの看護技術は未経験でしたし、これまで担当したことのない疾患、初めて使う薬や医療機器もたくさん。
でも、「分からないことはすぐに聞ける」「丁寧に教えてもらえる」という安心できる環境がここにはあります。先輩方がいつも優しく教えてくださり、気軽に質問できる空気があるからこそ、少しずつ自信を持って業務に取り組めるようになりました。
今では、自分自身のスキルアップを日々実感しています。


困ったことというより驚いたことですが、内地(本土)と比べて物価が高いことや、天候によって生活が左右されることは離島ならではの発見でした。
食料品や衣料品、消耗品、ガソリン代まで少し高めで、自動販売機の飲み物も内地より20〜30円高く、まるでテーマパーク並みです。
島では物資が船で届くため、台風が発生するとその進路次第で船が1週間以上来ないこともあります。そんなときは「これを今のうちに買っておいたほうがいいよ」「こうしておくと便利だよ」と病棟のスタッフのみなさんが教えてくださり、本当に助けられました。
島での生活は大変なこともありますが、それ以上に人の温かさを感じる毎日です。

私はエンターテイメントが大好きで、“推し”も多いタイプなので、都会から離れた島で暮らせるのか正直かなり心配していました。
けれど、いざ生活を始めてみると、仲間と過ごす時間の楽しさや、自然の美しさにすっかり魅了されました。
時には都会やチェーン店が恋しくなることもありますが、それに引けを取らないほどの自然の豊かさ、地元の飲食店の多さ、そしてお祭りやイベントの賑やかさ!
徳之島には、まだまだ行けていない場所や知らない魅力がたくさんあります。これから少しずつ、自分のペースで島を探検していきたいと思っています。
少しでも離島に興味のある方は、ぜひ短期間でも一度来てみてください。
実際に来てみると、「こんなに楽しい」「こんなにあたたかい」と感じることがきっとたくさんあるはずです。
助産師さんも、看護師経験がなくても安心して働ける環境が整っています。私自身も、サポート体制のおかげで不安なく業務に慣れていくことができました。
そして、この10月1日には、新築移転に伴う病院の引っ越しがありました。離島ならではの「島外への患者搬送」という貴重な経験もあり、まさに一生に一度あるかないかの特別な時間を過ごしています。
新しい病院で、これからも“子宝の島”の助産師として、地域のみなさまの笑顔と命を守れるよう、楽しみながら頑張っていきたいと思います。

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